当代で3代目となる春田一陶さんは、京都有数の観光地でもある清水寺の麓、五条坂地域で作陶されている。
その工房は、古い町並みの残る路地の奥にあり、外からは入り口すらわからない、隠れ家的な工房となっており、普段はまずひと目につかないところとなっている。
そういった、隠れ家的工房は京都では珍しくなく、特に京都市内では、自宅件工房とされているところも多く、オープンにされているところはほとんど無い。
今回特別にお邪魔させていただいた工房は、細い細い路地の奥にあり、薄暗いどんよりとしたところかと思いきや、工房内は日差しが程よく入り明るい工房となっていた。
そんな、工房内で夫婦で制作されている。
ご主人である、当代春田一陶さんが、成型(うつわの形を作ること)を行い、奥様が染付と呼ばれる、呉須(ゴス:焼き上げることで青く発色する絵の具)を使い古くから伝わる文様や図柄を描いていく。制作される作品は磁器と呼ばれる硬質な素地を使った作品で、焼き上げたときの白さに特徴のある土を使っている。この磁器に染付で絵を書いていくことが、一つの技法として存在しており、皆さんもご覧になられたことの多いスタイルとなっている。
この染付は、一見すると青い絵の具で描かれているだけのシンプルな技法に見えるが、多くの窯元では絵の具を自身で一から作っており、窯によって青さや深みが異なっている。ベースとなる生地の白さ、描かれる文様の色味、同じ磁器の染付の作品でも様々な個性が存在し、見る人を楽しませてくれる。
ご主人の春田さんは、生地の白さや絵の具の色合い等を常に改良を重ねており、理想の作品に近づけるため、日々研鑽を積まれている。
そんな、心のこもった作品は、同じ工房の中にある、専用の窯で焼き上げられる。様々なタイプの窯があるが、春田さんは、ガスを使った窯を利用されいる。
こだわりにこだわり抜かれた作品を生み出される春田さん。京都陶磁器会館オンラインショップでは、春田さんのこれは!という一品をご紹介しています。ぜひ、チェックしてください。
1966 | 京都に生まれる。 |
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京都府陶工高等技術専門校 専攻科 卒業 | |
1990 | 三代目 一陶を襲名、独立 |
2008 | 京焼・清水焼 伝統工芸士認定 |